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山口 尚登*; 遊佐 龍之介*; Wang, G.*; Pettes, M. T.*; Liu, F.*; 津田 泰孝; 吉越 章隆; 虻川 匡司*; Moody, N. A.*; 小川 修一*
Applied Physics Letters, 122(14), p.141901_1 - 141901_7, 2023/04
被引用回数:3 パーセンタイル:85.09(Physics, Applied)単層BMをコートしたLaBの仕事関数の低減に関して報告する。hBNでコートされた領域は、非被覆あるいはグラフェンコートされたLaB(100)単結晶領域に比べて仕事関数が低下していることが、光電子顕微鏡(PEEM)および熱電子顕微鏡(TEEM)実験から分かった。グラフェンコートに比べてhBNコートされたLaB(100)では、非常に大きな仕事関数の低下が起きることが、DFT計算から定性的に分かった。計算に酸化層を考慮すると、計算と実験の間の整合性が改善された。放射光XPSによって、我々のLaB表面に酸化層が実在することを確認した。
Luo, G.-N.*; 寺井 隆幸*; 山脇 道夫*; 山口 憲司
Proceedings of OECD/NEA 2nd Information Exchange Meeting on Basic Studies in the Field of High-temperature Engineering, p.177 - 189, 2002/05
低エネルギー(500eV)あるいは高エネルギー(MeV)領域のイオンによって照射された金属やセラミックス材料の仕事関数(WF)変化を調べる実験装置を開発した。適切な遮蔽機構を施したうえで、さらに、被測定試料とは別に参照用試料を配置することにより、ケルビン計の性能を制約する帯電効果を効果的に除去する方法を確立した。実験では、多結晶のNiならびにW(公称純度はともに99.95%)を試料に用いた。イオンの照射条件は、1MeV HeもしくはH、照射フラックス; 210ions ms、照射中の真空度; 110Pa、あるいは500MeV, 210ions ms, 110Paであった。実験結果によると、500eVでの照射においては、WFは、まず減少した後増加に転じ、その後一定値に収束した。一方、1MeVでは、WFは単調減少し、最終的に一定値に収束した。実験結果を説明するために、金属表面に酸化物層が存在し、さらにその上に吸着層が存在するという表面モデルを提案した。500eV Heでは核的阻止能が大きく、スパッタリングによって酸化物層まで含めて除去されたと思われる。一方、1MeV HeやHの場合、電子的阻止能が大きいため、吸着層のみが除去されるにとどまったのであろう。講演では、本手法の原子炉材料表面のモニタリング・評価への適用について議論する。
Luo, G.-N.*; 山口 憲司; 寺井 隆幸*; 山脇 道夫*
Surface Science, 505, p.14 - 24, 2002/05
被引用回数:3 パーセンタイル:20.6(Chemistry, Physical)ケルビンプローブを用いて低エネルギーイオン照射による材料の表面特性変化を調べるための新しい装置を開発した。空間電荷によるプローブへの深刻な影響が明らかとなったため、模擬試験により、原因究明を行い、対策を施した。その結果、空間電荷による影響を著しく抑制することができた。初期のNiへのHeイオン照射実験によれば、低フルエンス時に仕事関数は減少するものの、その後フルエンスの増加とともに増加に転じ、最終的に一定となることがわかった。この挙動は2層表面モデルにより説明することができた。すなわち、まず最表面に弱く結合している吸着層が照射によって取り除かれるため仕事関数は減少するが、その後nativeな酸化物が徐々にスパッタされることで仕事関数はNiの値に近づくべく増加する。スパッタと再吸着が均衡することで最終的に定常状態に到達する。このことは、非照射下での吸着/脱離実験によっても確認できた。
大越 啓志郎*; 遠田 俊一*; 志村 憲一郎*; 山口 憲司; 寺井 隆幸*; 山脇 道夫*
Physica Scripta, T94, p.16 - 20, 2001/10
被引用回数:2 パーセンタイル:20.74(Physics, Multidisciplinary)イオン駆動透過(IDP)と原子駆動透過(ADP)の挙動の違いを調べるため、Nbに対するADP実験を行った。温度依存性に関してADPの場合、500~1000Kの範囲で中間の温度で極大となることが判明し、IDPやGDP(分子駆動透過)の場合とは異なる様相を呈した。現象論的な「再結合係数」を仮定し、下流側表面直下でのバルク水素密度を評価した。計算機シミュレーションにより、実験条件下では密度は深さ方向に関してほぼ一様となることを明らかにした。シミュレーションでは、超高真空下で行われた実験であるにもかかわらず上流側において侵入する原子流速と表面直下の水素密度の間で擬似平衡が成立するとしたが、実験で観測された特異な温度依存性を定性的に説明することができた。
山脇 道夫*; 山口 憲司; 鈴木 敦士*
Ionics, 7(4-6), p.339 - 345, 2001/07
被引用回数:6 パーセンタイル:37.52(Chemistry, Physical)LiSiO, LiZrO, LiTiOやLiOといった核融合炉セラミックス増殖材料の高温における蒸気圧と仕事関数変化を測定し、これら材料の熱化学的挙動を調べた。実験的に得られた蒸気圧と仕事関数変化の測定結果の間には表面における「非化学量論性」という点で緊密な関係があり、マクロ挙動とミクロ特性の間に何らかの関連があることが示唆された。
鈴木 靖生*; 花田 磨砂也; 奥村 義和; 田中 政信*
JAERI-M 92-168, 16 Pages, 1992/11
セシウム添加型負イオン源においてプラズマ電極の仕事関数をレーザー入射により測定し、プラズマ電極温度及びHイオン電流との関係を調べた。レーザー入射位置を変えて光電子電流測定を行い、添加したセシウムはアーク放電を続けることによりプラズマ電極上に一様となることが明らかになった。また、プラズマ電極の温度上昇とともに仕事関数は減少し、電極の温度が260Cで1.75eVと見積もられた。これらの減少はセシウムを添加したときのHイオン電流の増加と良く一致する。仕事関数測定とHイオン引き出しを交互に行い、Hイオン電流の仕事関数依存性を調べた結果、仕事関数の低下とともにHイオン電流は急激に増加し、Hイオン電流が最大のとき仕事関数は約1.8eVまで低下していることが確認された。
小川 修一*; 遊佐 龍之介*; Wang, G.*; Pettes, M. T.*; Liu, F.*; 津田 泰孝; 吉越 章隆; 虻川 匡司*; Moody, N. A.*; 山口 尚登*
no journal, ,
六ホウ化ランタン(LaB)は低い仕事関数をもち熱電子カソードとして利用されている。実用上、仕事関数の更なる低下と高い耐久性が期待される。本研究では、湿式転写法で転写被膜した2次元材料(グラフェンおよび六方晶窒化ホウ素(hBN))被膜による仕事関数変化を光電子顕微鏡(PEEM)、放射光光電子分光、ラマン分光、原子間力顕微鏡、DFT計算などから、2次元材料被膜がLaB(100)の仕事関数に与える影響を検討した。905C加熱後のPEEM像から、hBNコーティング領域で最も強い光電子放出が観測された。DFT計算から、グラフェンでは内向きの双極子が誘起されるため仕事関数が増大、一方、hBNでは外向き双極子が界面に形成された結果、仕事関数が減少することが明らかとなった。
小川 修一*; 遊佐 龍之介*; Wang, G.*; Pettes, M. T.*; Liu, F.*; 津田 泰孝; 吉越 章隆; 虻川 匡司*; Moody, N. A.*; 山口 尚登*
no journal, ,
LaBは低い仕事関数を持つことから熱カソードとして利用されているが、仕事関数を小さくできれば光カソードの開発が進む。2次元物質(グラフェンあるいはhBN)でコートしたLaBの仕事関数変化を、光電子顕微鏡(PEEM)、熱電子顕微鏡(TEEM)および放射光X線光電子分光を使って調べたので報告する。グラフェンコートに比べてhBNコートされたLaB(100)は、非常に大きな仕事関数の低下が起き、その理由がDFT計算による表面電子状態の変化(ダイポール形成)によって定性的に説明できた。
松原 章浩; 國分 陽子
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【課題】高い負イオン生成効率を達成可能な負イオン源及び負イオン生成方法を提供する。 【解決手段】試料が導入される導入口106と、導入口106と連通し、放電によりプラズマが生成されるプラズマ生成領域113と、生成されたプラズマと試料との反応により解離または励起した粒子が負イオン化される負イオン生成領域114と、負イオン生成領域114と連通し、生成された負イオンが外部に引き出される引出口107と、を備える筐体108を有し、負イオン生成領域114には、高周波加熱により熱電子を生成する熱電子放出物質116が充填されている。